酒屋けいさつ

酒屋を巡るのが大好きな人と、飲むことばっかりな人の、お酒記録。

茂ちゃんで菊秀と出羽桜

満を辞しての1号の初登場です。もちろん、1号の記事を待っていた人は誰もいなかったということは本人が一番良く存じております。

 

早速、初めての投稿記事を書こうと思うのですが、その前に一つだけ。

 

そもそもブログの開設者である2号が、自分よりも相手を立てるという至極日本人らしい遠慮をしていたからなのか、何らかの配慮で些細な敬意を払ってくれていたのか、はたまた全く違う理由からなのか、とにかく定かなことは全く分かりませんが、今までに記事を一本も書いていない私が何故1号なのか。正直に申しますと、最初からそれが疑問でした。言いたいことは、それだけです。真面目に読んでいただいた方、お手間を取らせてしまいました。

 

それでは、ようやく本題のお店と今回飲んだお酒について。

 

1号が東京から北海道に戻らないといけない日程だったため、空港と2号の家との間、蓮沼にある京都料理のお店にお邪魔しました。

少し大きめに、「牡蠣あります」と書いてあった居酒屋風のお店と迷いましたが、こじんまりとした入り口の赤い暖簾をくぐり、大衆割烹のような京料理のお店に入ります。

 

坊主頭のちょっとぼけっとした感じの店主がカウンターの客席で新聞か何か読んでいます。日曜日の18時半。お客さんは、誰もいません。

1号と2号は特に何も言いませんが、入った瞬間にどちらも「店選び、間違えたな。やっちゃったな。」と思っていたと確信しています。

とりあえず、おすすめらしきおばんざい3品盛り合わせとそれぞれ生ビールを注文。

白和え、おから、白菜の煮浸しです。

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お腹の空いていた1号はすぐに、自分の近くにあった白和えを食べます。だしとゴマの香りがしっかりと効いており、とても美味しいです。

ちなみにおばんざいの他に2号は牡蠣のなめろう、1号は鳥わさを追加で注文していましたが、店主はまず鳥わさを作り始めます。鍋でお湯を沸かしますが、火が強すぎて近くにあったしゃもじに火がつき、燃えかけます。あやうく火事です。 お店の奥からは赤ちゃんの笑い声と、時々泣き声がBGMとして聴こえてきます。 まだ料理に手をつけてない2号はさぞ不安に駆られたのでしょう。1号の太ももにちょっかいを出して来ます。

あの悪名高き「頼んじゃった料理とお酒済んだら別の店に行こう。」のサインです。

ただ箸を出すのが早い1号は、その時すでに白和えの美味しさに感動していたため、無視します。

2号も自分の近くにあった煮浸しを食べます。無視された理由に気がつきます。

あ、このお店いい店だ、と。

 

おばんざいと共に瞬く間にビールをごくごくと飲み干してしまい、次の1杯に取り掛かります。

 あまりお店で見かけることのない長野県佐久市のお酒、菊秀 純米です。

実はこれ、1号2号が初めて揃って日本酒の蔵見学と櫂入れをさせてもらった橘倉(きつくら)酒蔵さんで作られているお酒で、見つけるとついつい飲んでしまいます。勝手に親近感を持っています。

酒屋けいさつというタイトルなのに酒瓶の写真は撮り忘れましたが、お酒のスペック的にはたぶんこれです。

 

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割と辛めで、昔ながらの古き良き日本酒という感じです。ほんのちょっぴりと古酒風のクセのある香りがします。

 

そうこうしている内に、鳥わさが来ます。柔らかく、火加減も絶妙です。2号も白和えの美味しさに気づきます。菊秀はすぐに空いてしまいました。

次のお酒を頼みます。山形県天童市の出羽桜酒造さんの醸す出羽桜 吟醸です。

こちらも写真撮り忘れましたが、たぶんこれです。

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もう、流石の一言です。ほんのりとろっとしたしつこくない甘さで、するする進みます。

2号が注文してくれていた牡蠣のなめろうと合わせますが、唐辛子の辛味がいいアクセントになっていて、止まりません。

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いい気分でお酒が回ってきたところで、常連さんらしきおじさんがお店に入って来ます。何やら得体の知れないものが入った袋を店主に渡します。

中に入っていたのは、先ほど横浜の方で釣って来たばかりだという鯵、かさご、メバル

などです。魚に目がない2号の力強い視線を感じた店主が一言、「食べる?」

運良く、釣りたての鯵の刺身を頂きます。もちろん出羽桜のおかわりも頂きます。

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脂が乗っていて、臭みのないとてもおいしい鯵です。鯵や鯖が大好きな1号も満足です。

 

ちなみに話はやや脱線しますが、魚介がとにかくおいしいイメージの北海道ですが、青魚に限って言えば実はよく見かけるのは秋刀魚ぐらいのもので、本州では常にあると言ってもおかしくない、鯵や鯖などはあまり見かけることがありません。青魚を食べる習慣というのは、実はあまりないのかもしれません。正確なことは知りませんが。

 

1号、2号共に東京を離れるのに、また1件大好きなお店が増えてしまいました。

お店を出ると3年前に初めて上京した時と同じ、東京の春の香りに包まれます。

何だかしみじみとした気分で空港に向かった1号2号でした。